第45回関市新春文芸作品展 俚謡の部 佳作入選 俚謡とは

 関市の文化課からの封筒が筆者宅の郵便受けに入っていた。開封してみると第45回関市新春文芸作品展の入選通知と作品集だった。


 関市新春文芸作品展は、短歌、俳句、川柳、俚謡、狂俳、現代詩の六部門構成のコンテストであり、ありがたいことに投句料が無く、誰でも参加でき、WEBでも応募できる。

筆者は、現代詩以外の全部門に応募し、主戦場は短歌、俳句、川柳のつもりだったが、見事落選。まさかの俚謡入選だった。

面白いことに作品集の俚謡の入選者は筆者以外すべて岐阜県の方のようで、他の地域には筆者も含めてなじみの薄い文芸と思いきや全国区らしい。

本稿では、俚謡について調べたことを、たかが佳作入選者の分際ではあるがご紹介しようと思う。

 

俚謡を検索してみると

     民謡と同義語。昭和20年代までもちいられたが、現在は死語になっている。(コトバンク)

     民間で歌われている歌。民謡。(デジタル大辞泉)

     民謡は、日本でもやはりそれまでは地域や時代により様々に呼ばれていたわけだが、里謡、俚謡(りよう)などとも呼ばれていた。(ウィキペディア)

以上のように一般の辞典系では、民謡の域を出ない。

岐阜県で、盛んなようなので「俚謡 岐阜」で検索すると「かがり火 : 俚謡 現代岐阜県俚謡作家二十二人集」という本が国立国会図書館に所蔵されているようである。HP等で俚謡を説明している記事は、「俚謡 俚謡ホームページへようこそ 茅野市高齢者大学俚謡学部の作品集です」の雑記帳で見つけた。茅野市は長野県であるがお隣だから有りと言えば有りだ。また、茨城県石岡市の文化振興課の石岡俚謡会の紹介ページにも俚謡の説明があった。やはり全国区のようだ。

これらの記事と手元にある関市新春文芸作品展の四十四回と四十五回の作品集及び第三十一回可児市文芸祭作品集の選者の先生の選評及び総評をもとに俚謡とは何か筆者なりにまとめてみた。 

 

俚謡とは

     7・7・7・5、26文字の短詩型文芸である。7・7・7・5は、さらにリズムを良くするため3.4  4.3  3.4  5と区切る。岐阜調俚謡正調であり、「みよよみみしろい」と覚えるそうだ。

筆者の作品を例に取ると、

関で包丁新調すれば孫の代までよく切れる

せきで(3)ほうちょう(4)しんちょう(4)すれば(3)まごの(3)だいまで(4)よくきれる(5

ちなみに、俳句、川柳、短歌と同様、拗音(小さい や・ゆ・よ)は一音と数えない。上の例では「ちょ」が一音となる。

     結句(最後の5文字)はなるべく名刺か形容詞が好ましく、動詞は避けたほうがよい。筆者の作品は思いっきり動詞だ。

     俳句の季語や、川柳の三要素「可笑しみ」「穿ち」「軽み」のような決まりはなさそうだが、その時々の課題に沿って謡にしているみたいである。

課題の例としては、

45回関市新春文芸作品展 「新」「年」「辰」1字以上詠み込み

   季節感やふるさとの情景などを評価の基準として加味されているとのこと。

44回関市新春文芸作品展 「安」「善」「吉」1字以上詠み込み

   市長賞     響く鐘の音桜山のここは名高き善光寺

   市議会議長賞  引いたみくじを小枝に結ぶが嬉しい初詣

   教育長賞    共に暮らして六十余年夫婦哉祝う春

また、第三十一回可児市文芸祭のように題材自由というのもある。

   文芸祭賞    山は錦繍眩しい限り風も爽やか可児市の里

    評価としては、当季吟で華麗。郷里自慢も可。起承転結が整っている。

市長賞     軒につるした大根すだれ飛騨の山里冬支度

評価としては、当季吟で結びの冬支度に哀愁をそそる。

教育長賞    柿の収穫ピークを迎え老いも一役選果員

    評価としては、老いも一役選果員が頼もしい。

     都々逸等との関係

石岡俚謡会の紹介文では「俚謡(りよう)は都々逸とも言い、その詩で唄うことも出来ます。」とある。また、茅野市高齢者大学俚謡学部の雑記帳には、「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」や「草津よいとこ一度はおいでお湯の中にも花が咲く」が紹介されている。

 俚謡は、幅が広いが都々逸の例としては、

    恋にこがれて なく蝉よりも なかぬ蛍が 身をこがす

    いやなお客の 親切よりも 好いたお方の 無理がよい

    君と寝ようか 五千石とろか ままよ五千石 君と寝よ

というように、艶っぽいものが多い。これは筆者の感じたことに過ぎないが、季節の情景等を織り込んで、より文芸性を高めていったのが俚謡ではないだろうか。

もし、俚謡の先生や詳しい方がいたらこの記事の訂正すべき点や抜けている点をご指摘いただけたら幸いです。

  

最後に関市協働推進部 文化課の皆様、選者の河村住夫先生、本当にありがとうございました。

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